「久しぶりだね、はるちゃん！
このところ何してたの？」
「本当久しぶりね。私は、全国色んな所を周って、興行と修行の日々だったわ。
でも本当は、ケモミを探すための旅をしていたのよ。ケモミこそ音信不通の間は何をしていたの？」
「んーとね。ここでは言えないことというか、私自身もよく覚えていなかったり。
ごめんね、いつか語れたらいいな！」
「それなら積もる話はまた今度にしましょう。
久しぶりにこのお仕事をもらえたわけだけど、今日はね、重大告知があるみたい」
「そうなんだ！ 楽しみ。
いつも楽しませてもらっています」
「完全に何もする気がない様子。
えっとね、ケモミの物語をゲームにした『ケモミちゃんの旅～悟り少女と無垢人形～』が近日公開するんだ！ って話。
そ
れに先駆けて、PV動画が公開されたのよ！」
「ゲーム……？ PV動画……？ ううっ頭が……」
「いや、収録始まる前にあれだけ説明したじゃない！ ゲームもPV映像も、なかなか面白そうなものになってきているから、是非見てほしいのよ！
何もメタくないから安心して！」
「ねえねえ、はるちゃん、一緒に見ながら感想を言ってお菓子を食べるやつやろうよう」
「副音声解説みたいな感じで。ポップコーンとコーラを用意して、あ、ケモミはコーヒーのほうがいいかな？ それじゃあ動画はこちら！」
「おー。ところでこの映像は誰が作ったんだろうね」
「なんかこのラジオのプロデューサーが夜なべして作ったらしいよ」
「途中でいろんな時期の私たちの姿が出てくるね！ 月夜に照らされて、格好いいね」
「このゲーム、製作期間自体は足掛け2年以上だけど、本当はもっと初期から色々と考えられていたらしいわ。Ｐが初めてケモミを見たときから、雷に打たれたように企画が始まっていたと言っても過言ではないみたい。初期の頃のケモミの姿から、現在に至るまでを動画に登場させたかった、っていう裏話があるらしいわ。まあ私はそれを聞いて普通に引いたけどね」
「私はこれをきっかけに知ってもらえたら嬉しいよ。ところで、本当に面白いゲームになっているのかな？」
「直球のコメントありがとう。そうね、ゲームシステムの話もしてほしいって言っていたし、紹介していこうかしら」
「ゲームでは私の『居合斬り』が、アクションの要になっているみたいだね。居合ゲージを使って、相手を選んで攻撃できるみたい。時間制限はないから、落ち着いて動けるのがいいね」
「まるで時を止めて斬っているみたい。私もケモミにこれをやられたら手も足も出ないわ。状況に応じて攻めにも回避にも使える、応用力の高い技よね。いや、そうよ――投げ技だったらﾜﾝﾁｬﾝ極まるかも……（ﾎﾞｿｯ」
「次に、『ご当地ステータスアップシステム』だっけ。これも面白そうだよね」
「ステージごとに、固有の技が使えるようになるの。その土地ごとの風流を楽しむ、ケモミらしいシステムね。買った木刀で技を閃く感じ」
「今どき木刀なんか買うのかなあ」
「前のステージで多用していた技が使えなくなってもどかしいときに、新しい技が使えるようになるから、また新鮮な気持ちでゲームを遊べる、そんなバランスを意識しているみたいよ」
「これって技を忘れる私も凄いよね」
「最後に、《人形劇》と言われる作中劇。私とケモミが初めて出会ったときの戦いも描かれているわね。
正直、このときの絶望感はいまでも忘れられないけれど。でもね、私はあんたに出会えてよかったって心から思っているわ」
「私も、一番大切な友達と出会えた旅だったね。思い出は一生の宝ものだよ」
「いやん悲しいこと言わないで」
「はるちゃん照れ隠しに関節技する癖よくないと思うよ」
「してないからね！？ そのマイク芸ずるいな！」
「終わりに。『ケモミちゃんの旅 ～悟り少女と無垢人形～』は、近日公開予定です。
いっぱいアクションして、いっぱい泣いたり笑ったり、旅を楽しんでゆくので、是非まったりとプレイしていただけたら嬉しいな！」
「初めてケモミと出会ってからいろんなことがあったけれど、その『最初の旅』が今作で描かれている。
ここで開発者からひと言があるそうよ」
『皆様に支えて頂いて、ようやくゲームが公開できそうです。試行錯誤も多かったですが、リリース後も継続的にアップデートして、楽しいゲームに仕上げていきたいと思っています。色々と至らぬ点をお見せするかもしれませんが、最後まで頑張って開発していきます。
スタッフ一同、今後ともよろしくお願いいたします』
「個人的にストーリーは『人生』だから、『楽しい』だけじゃないと思うけど……まあこれ以上は野暮天ね。リリース後も色々なことを考えているみたいだから、私たち共々、お付き合いしてもらえると嬉しいわ」
「それじゃあね～」
「次会うときは、リリースの報告になれたらいいから。
あばよ！
と言っておくわ」
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